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織機から考えるタテ地とヨコ地のお話

投稿日:2018年10月08日 更新日:

今回はちょっと理屈っぽいお話をしてみようと思います。

理屈と言いながらも、知ってると作品の見栄え&出来栄えが少し変わってくるかも…、、という内容でもあります。

ご興味ある人はぜひお付き合いくださいませ( ◠‿◠ )ノ

タテ地とヨコ地はなんでカタカナ表記なの?

当ブログのメインコンテンツであるHowーto記事の中で、よくタテ地・ヨコ地という言葉が出てきます。

中島みゆきの歌「糸」にも、

「たての糸はあなた よこの糸は私」

…なんて歌詞もあったりしましたが、それはさておき。

タテ地・ヨコ地に関しては布を扱う上で、必ず把握しておくべき大切ポイントなのですが、なぜカタカナ表記なのでしょう?

タテ=orたて

ヨコ=orよこ

などと、漢字や平仮名ではダメなのでしょうか?

はい、、、そうなのです…!!

カタカナで書くには理由があるのです。実は、ちゃんと漢字で表記すると、

タテ=

ヨコ=

なのです!!ちょっと小難しい書き方…!

ちょうど地球儀で言う、経度・緯度と同じですね。

普通に縦糸・横糸なんて書かれているのもたまに見ますが、正しくは経・緯なのです。

地球儀と一緒だなんて、ちょっと壮大。ロマンすら感じますね。

原始的な機織りに見るタテ糸とヨコ糸の違い

普段あまり使わない言葉ですが、織機(しょっき…糸を織って布にする機械)について考えると、布地のことをより深く理解できます。

まずはこちらの写真をご覧くださいませ。

こちらは、地機(じばた)と言って原始的な織機の形です。

地面に座り、木などにタテ糸を括りつけて布を織っている様子です。

東南アジアなどに行けば、今もこのような方法で布を織る女性に出会えるらしいです。

こちらの写真は、名古屋市内にある「トヨタ産業技術記念館」にて撮影したもの。兄が写り込んでます…。

トヨタ産業技術記念館では織機の歴史が実物にて見学できるので、織機好きの私にとっては垂涎もの。

話はそれますが、織機と同じくらいの分量で車づくりの歴史についても展示があるので、名古屋へお越しの際は一見の価値ありです。かなりの分量の展示です。

話を織機に戻して、こちらは地機でも少し発展した形。

少しメカニックに発展してますね。

原始的な方法から、少し発展していますが、こちらは現代の日本でもなんと現存しています…!

場所は、茨城県結城市…。そう着物好きには永遠の憧れの結城紬です。

「奥順」さんと言う会社が「つむぎの館」という形にて、このような地機の展示も行っています。私が訪れた際は、様々な展示だけ見させてもらい、結城紬を買えるはずもなく館を後にした甘酸っぱい思い出があります。

地機の方にお話を戻しますと…、

2枚の写真からも、タテの糸はピンと強く張っているのがお分かりでしょうか?

それに対して、ヨコの糸は人が手で通しているので、タテ糸ほど張力(ちょうりょく…引っ張る力)がないのです。

これは織機がよりメカニックになっていっても同じです。

こちらは地機に対して、高機と呼ばれるもの。

日本各地に残っている伝統工芸の織物も、この高機から織られた布地が多いように感じます。

せっかくなので、織機をもう少し見ていきましょう♪

こちらは豊田佐吉さんが開発したという、自動織機。

福島県の会津では会津木綿を織るために、明治期の織機が今も現役で利用されています。自動織機とは言え、織っている途中に糸が切れたら人が括るという具合のアナログ加減。

これまたいい味ですね。

そしてこちらは、またトヨタ産業技術記念館に展示されていたもの。布地の幅が洋服用になっていますね。

織機見学はこの辺にしまして、タテ地とヨコ地の違いのお話に戻しますと、その張力(ちょうりょく…引っ張る力)こそが大きなポイントなのです。

張力は何に影響するの?

タテ地とヨコ地の違いについて、織機を用いてご説明しましたが、この張力の違いは何に影響するのでしょうか?

それは…、、

仕上がりです!!

ちょっと抽象的ですね(´ε` )

具体的にご説明すると、

張力の強いタテ糸は垂直になるように、ヨコ糸は水平になるようにパターンを構成すると、シャキッとした仕上がりになるのです。

型紙ブックなどから写し取ってものづくりをする場合は、この法則の通りになっていますので、そんなに意識しないで済みます。

しかし、ゼロから型紙を起こす場合は、大前提としてこのことが頭にないと、しっちゃかめっちゃかな型紙や作品が出来上がってしまうのです…。

何を隠そう、私は洋裁を本格的に習う前、趣味で帽子を作っていた時期がそのしっちゃかめっちゃかでした。

帽子の型紙ブックから型紙を写し取って、本の説明の通り帽子を縫います。

素人なりに、帽子にはなるのですが、どことなくヨレっとして仕上がりがイマイチなのです。

それもそのはず、当時はタテ地の↓(矢じるし)の意味を知らずに、タテ地もヨコ地も無視した形で裁断していたのです。

そのようにデタラメに裁断した布地は伸び率の違いから、縫っている間に寸法ずれは起こるは型崩れはするはで、ひどい仕上がりでした。

もっとも当時は、そんなもんかな〜程度で、結構満足げにその帽子を被ってはいたのですが…笑

無知とはある意味、武器ですね。

しかし、若かりしあの頃にはもう戻れません。今では神経質なほどに、洋服やカバンを作る際にタテ地とヨコ地という地の目を意識します。

タテ地は伸びにくく、対してヨコ地は伸びやすい布地は多いものです。

ちょっと縫いずれが起こったときでも、タテ地・ヨコ地の違いを理解していれば、パターンや縫い方の修正もより楽になるものです。

蛇足だけどお気に入りの織機について

今回は織機の写真を見つつ、タテ地とヨコ地のお話をしてまいりました。

私が序盤から激推ししている「トヨタ産業技術記念館」ですが、最後の方の展示で、それはそれは面白い織機の展示があります。

それはこちら。

ん?

んん??

んんん???

織機の概念を覆す、筒状の織機です。

織物なのに、筒状…。

こちらはヨコ糸が行ったり来たりするのが時間的にロスという発送から、ヨコ糸を螺旋状に通していき織り上げる仕組みの織機です。

実用化はされなかったらしいのですが、世界のTOYOTAの創造性が爆発しています。

これこそ、トヨタ産業技術記念館の見どころだと私は思っています。

このような実用化されなかったアイデアがたくさんあるからこそ、世界に通用するものも生まれるんだな〜と感慨にふけってしまうのです。

世界のTOYOTAを例えに出して恐れ多いですが、私も役にも立たない事をどんどんしていこうと、この織機の写真を見る度に思うのでした…!!

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