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【coffee break】オリジナルのナポレターナを作りたい【妄想編】

投稿日:2019年04月23日 更新日:

前回、魅惑のコーヒー抽出方法と題し、古くて新しいコーヒーの抽出方法;Napoletana(ナポレターナ、ナポリターナ)という器具についてご紹介しました。

【coffee】魅惑のコーヒー抽出方法【break】

もはや好きで好きでしょうがないナポレターナ氏。

そして、私はとある妄想に取り憑かれています。

今回はそんな妄想について書きました。

もの好きな方や、同じくナポレターナ愛好家の方々がいらっしゃいましたら、ぜひお付き合いくださいませ♪

理想のナポレターナは作るしかない

人それぞれ、コーヒーの好みの味は違う。

深煎りコーヒー豆のドッシリした味わいが好きな人もいれば、浅煎りコーヒ豆のスッキリした酸味も香る味わいが好きな人もいる。

ナポレターナという器具は、どちらかと言えば前者のようなドッシリ系のコーヒーを抽出するためのものだ。イタリアでエスプレッソが主流になるまでは広く普及していたという。その成り立ちからして、イタリア人好みの濃い系のコーヒーになるのは当然の事だろう。

ナポレターナは20世紀初頭のエスプレッソマシンが普及して以降、廃れた。今ではイタリア国内の一部のメーカーが器具を製造するのみ。

もちろんのこと、日本国内にもナポレターナの製造メーカーはいない。

日本人好みの(…というより私好みの)濃すぎず、薄すぎず、芳醇なコーヒーオイルと香ばしさが両立したナポレターナが欲しい。

周囲のコーヒー好きで、エスプレッソを好きな飲み方の一番に挙げる人はまず、いない。

しかし、味わいに軽やかさを残しながらも芳醇さも楽しめるナポレターナコーヒーは、きっと虜になる人も多いはず。

もはや私が、新たなナポレターナを作るしかない…。

そんな妄想に取り憑かれて三週間ほど経った。

既存のナポレターナ、味わい以外に2つの問題点が

ハンドドリップのコーヒーなどと同様、ナポレターナもコーヒー豆や水の分量、また蒸らし時間などの調整により味わいは変えられる。

それならばオリジナルで作らずとも、問題は解決しそうな話だ。

しかし超えられない壁が2つある。

 

1つ目、量の問題

国内外で広くナポレターナを販売しているILSA(イルサ)というメーカーでは3サイズの用意がある。

・150cc(1〜2カップ)

・250cc(3〜4カップ)

・450cc(6カップ)

※アルミ製の基準、ステンレス製には更に9カップ用まであり。

私は450ccの水をボイルできる6カップ用を使用しているのだが、実際の抽出量は300ccちょっととなる。

何故ならばコーヒー豆が結構な量の水を吸収するし、沸騰して多少蒸発もするからだ。

300ccというと、大きめのマグカップならばちょうど1杯分というところ…。

デミタス、エスプレッソカップなどの小さいカップなら6人分と言えるが、普通のご家庭のマグカップなら1〜2杯分なのだ。

本式のナポレターナよりも少なめのコーヒー豆の分量をしっかりと蒸らし、豆の香りもオイルもしっかりと抽出できた1杯…。それが私の淹れ方だ。

1杯を淹れるには、ほぼ不満はない。

しかし家族や友達とコーヒーをシェアすることができない…。

2人分までは何とか許容範囲だが、3人分以上となると完全にお手上げなのだ。

ナポレターナは1回淹れると、容器をキレイに洗って乾かす必要があるので、連続使用も現実的ではない。

一度に3〜5人分くらいまで淹れられるキャパが欲しい。

ILSAのスレンレス製には9カップ用の用意まであるが、おそらく抽出量は450ccを前後するところだろう。3人分がやっとのところ…。

因みにセブンイレブンのコーヒーの分量は、

・R(レギュラー)で150cc

・L(ラージ)で270cc

とのこと。日本で一般的なコーヒー1杯の分量は150cc、という見方もできる。

確かに喫茶店やカフェでも150ccくらいの分量が平均的ではないだろうか。

そう考えても、ILSAでは3人分が限界と言えてしまう。

来客時も含めて、5人分くらいまでのキャパのものも欲しい。

また2杯目をお代わりする可能性も考えると、最大分が3人前では少ない、、、少なすぎる…。

 

2つ目、洗いやすさの問題

ILSAというメーカーも含め、ナポレターナは大抵5つのパーツから成っている。

メーカーや種類が違っても、大抵この5つ。

本体部分はスッキリとした形状なのだが、コーヒー豆を入れて中にセットするフィルターと呼ばれる部分は小さな溝があり、汚れが残りやすい。

ILSA製しか使った経験がないので、他にもっと機能的でスッキリしたものもイタリア本国にはあるのだろうか。

こればかりは行ってみなければ、もはや分からない。

しかし…!!

イタリア人がエスプレッソのような濃いコーヒーを少量飲む習慣であることからして、量の問題は解決しない可能性も高いのだ。

やはり作るしかない。

洗いやすさ問題に関しては、きっとILSAもこれをベストな形だとは思っていないだろう。しかしコストや量産の都合上のベターな形ということで、このような形状にしているのかもしれない。

ステンレスの加工業者さんをググる

ググるのはタダ。

一昔前なら、ナポレターナを作りたいだなんて思わなかったはずだ。しかし専門外のステンレス用品まで作りたいと思ってしまうには、ワケがある。

以前こんな本を読んだからだ。

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ネットがあることで、様々な加工業者にアクセスできる。

また多くの人が必要としないものでも、ネットを介して販売もできる。

詳細は完全に忘れてしまったが、そんな内容も含まれていた気がする。

要はロングテールってやつだ。

ロングテールっていう言葉は好きで、だからこそ私もこんな妄想をネットに書いているワケで…。

「必要かどうか」を考える前に、やりたい事をやってしまえるのは幸せとも言える時代。

ステンレス加工業者さんを探す話に戻すと、両手に余るほどに見つかった。

自宅近郊含め日本各地にあるある…♪

しかし、そこで私の中の経験が妄想にブレーキをかけた。

前職にて学んだこと…。

工場には得手不得手がある。人と同じだ。

全て同じように見える縫製工場でも、シーツを縫うのが得意な工場もあれば、ポーチを縫うのが得意な工場もある。

ステンレスの加工業者も、きっとそうであろう。しかし専門外なので、いまいちピンとこない。そこでググるのを一旦やめた。

そしてもう一つのことが気になり出す。

特許…?!…止まらぬ妄想

もし上手いことステンレスの加工業者さんが見つかって、

新しいナポレターナのサンプルができて、

量産にも成功して、

販路を広げて、

一端の商売になった暁には、ILSAはどう思うのだろう。

どこかの日本人が勝手にイタリア人の猿真似をしていると放っておくだろうか。

私の妄想では、新たなナポレターナの需要は日毎に増加し、年商1億はくだらない。ILSA、もしくはイタリアのナポレターナ製造元が法的手段に出てはこないだろうか。

妄想が被害妄想をも通り過ぎているのは百も承知で、特許について調べ始めた。

napoletana

neapoletana

2つの綴り方があるらしいので、そのどちらもで調べてみる。

海外の特許を調べるページには日本語の自動翻訳機能もついていたのが有難かった。

ピザに関する特許が出てきた以外は、それらしきものが検索で引っかかってこない。

これは誰も特許を申請していないのか。

そもそもナポレターナという名前のくせに、発明されたのはフランスという説もある。そして19世紀の前半に類似の器具の特許申請が多数申請されているらしい。

日本での特許は20年というが、海外ではどうなのだろう?

特許の方も暗礁に乗り上げたところで、妄想は尽きた。

妄想は妄想に終わるのか?

何故に、こんなにも妄想に取り憑かれているのか。

春だからか。

妄想のこの先は、実際に行動してみないと続かない。

行動しないと、答えは出ないところまでは妄想し尽くした。

設計図らしきものを何かで作って(CADソフトとか持っていないけれど)、

サンプルを作ってくれるステンレスの加工業者さんを見つけて、

特許の問題もクリアーにして。

そしてサンプルでナポレターナコーヒーを淹れてみて、人にも飲んでもらって改良を重ねて。

何度目のサンプルで完成品ができるだろうか。

費用はいくらかかるだろうか。

ここらあたりまで考えて、ふと気づいた。

前職のクセ…!!そんなものが自分に残っている事が意外だった。

数年前までプリント生地を加工して卸売&小売をする会社で働いていた記憶。

サンプルを作って量産、そして日々の生産管理のような内容を布製品でやっていた。

布製品であれば、自分もミシンを使って作ることができるので、ピンとくる。

そんなに怖くない。

しかも失敗して、やり直していてもお給料はもらえるし、サンプル代は自腹ではなく会社のお金。

しかし、ステンレスは…。

いや、違う。

ステンレスかどうかってことよりも、自分の懐が痛むか会社の懐かの違い。

ここまで考えてやっと気づいた。

会社員ってありがたかったなぁ。リスクは会社が負ってくれる。

Y社長への懐かしさがこみ上げる

創業者社長にありがちなカリスマ性、それに加えて気性の荒さと気まぐれさを持ち合わせたアイディアマン。

前職の社長を一文で表すと、そんなところだ。その情熱ゆえに社員を引っ張り、その情熱ゆえに社員を困らせる。

…お元気だろうか?

Y社長。

30名ほどの会社で年商10億の売上は、今思えば凄い。利益率も高かった。

Y社長凄い。

Y社長はアイディアを実現させて、それを商品にするのに長けていた。手触りの良い巨大なクッションを企画開発し、会社を大きくした人だった。

当時伸びる生地に綿を詰めるなんてタブーだったが、絶対に売れるはずと諦めずに作ってのけた。

小売価格で一万円ほどするそのクッションは、月を追うごとに出荷数を増やしていった。

小売店からも注文の問い合わせが相次ぎ、市場にはニセモノも出回るほど。

…ナポレターナから随分話がそれてしまったが、きっとY社長なら上手にナポレターナも製品化できるんだろうな。

そんなところで思い出の扉を閉めた。

続く妄想

日本のナポレターナの扉の鍵は私が握っている。

一般的にはキャンプ用品程度にしか思われていないナポレターナ。そもそも、その存在を知る人自体が僅かである。

彼の良さに惚れこみ、こんなにナポレターナの事を考えている人間は半径500km以内には存在しないだろう。

私は自信がある。

アジア圏で一番ナポレターナを愛しているのは、この私だ…!

まずはサンプルを作りたい。

イメージができる事は、実現可能な事らしい。

逆に言えば、イメージができなければできる可能性すらないって事だ。

いくつものイメージや妄想の中から可能性が生まれる…。

私の妄想が実現するかしないかも、常に私が鍵を握っている。

サンプルが量産品になって、広く売られるのは楽しい。

自分の作ったものが広く人々の生活に溶け込んでいる様は、とても心地良い。

Napoletana made in Japan

この春私を襲ったナポレターナブームは、マイブームに終わるのだろうか。

いや、ナポレターナの方が私を選んだのかもしれない…。

20世紀初頭にイタリアでコーヒー舞台の主役の座を下されたナポレターナは、虎視眈々と返り咲く日を待った。

待つ事100年あまり。

コーヒー好きが多いここ日本で、新たに主役として躍り出る事を夢見ているナポレターナ。

私はただのナポレターナの操り人形かもしれない。

マイブームだったか、ナポレターナの逆襲になるかは、きっと1年後くらいには結論が出ていると思う。

さぁ、思うがままに羽ばたくがいい、ナポレターナよ。私の身体を貸してやる。

Napoletana神殿

ナポレターナが私に要求している事がもう一つある。

神殿を構えるという事。

ナポレターナの価値を伝道し、普及に寄与する場所…すなわち神殿。

Appleが直営店(Apple Store)でMacやiPadを売るごとく、ナポレターナも正しい価値を伝承する場所が必要なのだ。

使って味わってみて、初めて解る価値がナポレターナにはあるのだ。

…神殿とは大袈裟に言い過ぎた。最近読んだ本に影響されただけ。要するに、ナポレターナを使用し、味わえるカフェ。

できれば来店客の目の前で火を入れ、ひっくり返されるのが良い。

なるべく客自身が体験する形で、ナポレターナコーヒーが供されるのが望ましい。

ナポレターナはただの消費ではなく、確かな体験なのだ。

コーヒーは飲み物ではなく、コーヒーを飲むという体験そのもの。

日本の茶道にも通じるものがあるかもしれない。

全く新しいcoffee experience。

ナポレターナならば、それが可能にしてくれる。

20世紀初頭で消えかけたナポレターナの逆襲が今…。

napoletana.com

まず手始めに、インターネット上の住所であるドメインを取ろうと思った。

ドメインは年間1000円ほどで取得できるのだ。

napoletana.com

…やはり取られていた。イタリアのピザ店。

すぐに立退く事もなかろう。

.comは諦めた。

次に信頼性の高そうな.netは空いていた。

しかし妥協するのもなんなので、ドメインの取得は止めておいた。

napoletanaの別名でもあるflip potの可能性も残しておきたい。

愛しのnapoletana

本でその存在を知った日から、私の身体に取り憑いたナポレターナ。

血眼になってインターネット上の情報をかき集め、注文した日の記憶はまだ新しい。

それから1日たりともナポレターナの事を考えない日はなかった。

あなたの居ない世界は、考えられない。

この恋が冷める日は来るのだろうか。

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